海外安全対策情報(令和7年4月~9月)

令和7年10月7日

1.社会・治安情勢

現在までのところ、当館管轄区域内(カリフォルニア州中北部及びネバダ州)において、テロ発生の可能性がある具体的な情報は把握されていません。

しかし、カリフォルニア州のサンフランシスコ市やオークランド市、サンノゼ市など、サンフランシスコ湾を囲む「サンフランシスコ・ベイエリア」は、自由な気風が尊重される地域であり、1960 年代以降、学生運動をはじめ、様々な主義主張を訴える活動が行われており、過激主義及び原理主義思想を背景とする活動が生じ得る社会的土壌を有しています。また、国際的な観光地域や経済集積地域を有することから、国際テロの対象となり得る場所とも考えられます。

一方、ネバダ州ラスベガスも、カジノで知られる世界有数のナイトスポットとして、年間4,000万人もの来訪者が訪れる一大観光都市であり、依然としてテロの潜在的脅威が存在しています。当局は治安維持に力を入れているものの、観光客を対象とした一般犯罪は後を絶たず、注意を要する地域となっています。また、2017年や2023年にラスベガスにおいて発生した銃乱射事件は、米国内においても大きな衝撃を与えた事件であり、銃犯罪が身近なものであることを改めて認識させる事件となりました。

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1) 近年の犯罪傾向

ア 犯罪統計
サンフランシスコ市警察が発表する統計によると、2025年4月から2025年9月末までの犯罪発生件数は、前年の同時期に比べ減少傾向にありますが、 依然日本に比べ非常に高い数値にありますので、犯罪に巻き込まれないよう特段の注意が必要です。

犯罪統計


イ 多発する車上狙いへの対策
サンフランシスコを含むベイエリアでは、年間を通して昼夜を問わず「車上ねらい」が多発しています。市内の観光ポイントには、「PREVENT A THEFT」、 「REMOVE VALUABLES LOCK YOUR CAR」等の標識が設置され、警察当局が警戒を強化していますが、短時間 (1分未満) の駐車であっても十分に注意する必要があります。

車上ねらいは、座席等に置いてある金品が対象となることから、車内にはスーツケース、貴重品、鞄類等の荷物を放置しないことが何よりも大切です。犯人が離れて観察している場合がありますので、座席下やトランクなどに隠しても予防効果は十分とは言えません。駐車場所も、可能な限り人目の多い場所や照明の明るい場所を選ぶなど、常に犯罪対策を意識することが重要です。

被害に遭う車種は様々ですが、特にレンタカーの場合、使用者の多くは旅行者であり荷物をトランク等に放置する傾向が高く、レンタカーに狙いをつけて犯行におよぶグループも存在するとされ、旅券や現金等の貴重品は車内に残さないようにしてください。

なお、2025年4月から9月末までに、邦人から当館に連絡があった車上狙いの被害件数は12件ですが、本件は被害品に旅券が含まれていた事案のみの件数のため、実際には、同件数以上の邦人被害が存在するものと推測されます。(12件中7件は、サンノゼ、パロアルトなどのサウスベイエリア、2件はオークランド)サウスベイエリアで車上狙いが増加していますので、十分に注意してください。

 

(2) 過去の邦人被害情報

(ア) 邦人の方が被害に遭われている車上狙いは、ショッピングセンター、レストラン等の駐車場や路上において多く発生していますが、自宅や公園の駐車場、ガソリンスタンドでの被害報告もあります。
ベイエリアやラスベガスの観光地では、レストラン、ホテル及び空港等での置き引きや、乗り物内でのスリ等も発生していることから、警戒心を忘れずに貴重品から目を離さないようご注意ください。
ホテルにおいて、部屋から貴重品が盗まれる事案が発生していることから、セーフティボックスを利用する又は自分で携行するなどの防衛策を取るようにしてください。 。

(イ) 日本国総領事館、入国管理局、警察等を名乗る振り込め詐欺やインターネット売買に関する詐欺、ソーシャルセキュリティナンバーを聞き出す詐欺まがいの事案が発生しています。特殊詐欺は巧妙化しており、複数の人物によるビデオ通話を利用した手口も確認されています。また、特殊詐欺は日本語に限らず、英語で米国の機関を語る詐欺も報告されています。
身に覚えのない電話は無視し、相手に確認する必要がある場合でも、決して示された番号に返信せず、必ず自身で調べた番号にかけ直すよう心がけてください。携帯電話の表示が実在するクレジットカード会社になりすましている場合もありますので十分に注意してくだい。
その他にも、アパートの大家を騙り前金を詐取する犯罪も発生しています。相手の身元や物件の確認等をするよう心がけてください。
 

※ 各地域の犯罪発生状況は、次のサイト等で検索することができます。居住地や渡航予定地域の犯罪発生状況の確認にお役立てください。

(上記サイトは、皆様に治安状況の参考にしていただくために掲載しているものであり、警察当局からの公式な情報ではない点にご留意下さい。)

3.テロ・爆弾事件発生状況

当該情報には接していません。


4.誘拐・脅迫事件発生状況

邦人を被害者とする情報には接していません。


5.日本企業の安全に関わる諸問題

当該情報には接していません。