海外安全対策情報(令和4年7月~12月)

令和5年4月20日

1.社会・治安情勢

現在までのところ、当館管轄区域内 (カリフォルニア州中北部及びネバダ州) において、テロ発生の可能性がある具体的な情報は把握されていませんが、2022年1月に米国政府が発出した報告書には、「国内の過激派が電力インフラを攻撃する可能性がある」との記述もありました。

また、カリフォルニア州のサンフランシスコ市やオークランド市、サンノゼ市など、サンフランシスコ湾を囲む「サンフランシスコ・ベイエリア」は、国際的な観光地域であることに加え、自由な気風が尊重される地域であり、1960年代以降、学生運動をはじめ、様々な主義主張を訴える活動が行われており、過激主義及び原理主義思想を背景とする国際テロの対象となり得る社会的土壌を有しています。

一方、ネバダ州ラスベガスも、カジノで知られる世界有数のナイトスポットとして、コロナ禍以前は年間4,000万人もの来訪者が訪れる一大観光都市であり、依然としてテロの潜在的脅威が存在しています。当局は治安維持に力を入れているものの、観光客を対象とした一般犯罪は後を絶たず、注意を要する地域となっています。また、2017年10月1日、ラスベガスの中心部において発生した銃乱射事件は、米国内においても大きな衝撃を与えた事件であり、当地において銃犯罪が身近なものであることを改めて認識させる事件でありました。

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1) 近年の犯罪傾向

ア 犯罪統計
サンフランシスコ市警察が発表する統計によると、2022年7月から12月末までの犯罪発生件数は、すべての犯罪において横ばいで推移していますが、車上狙いやスリ等 (資料では「その他窃盗」) が依然として高い数値にありますので、同種犯罪に巻き込まれないよう特段の注意が必要です。

犯罪統計

イ 防犯上の留意事項
(ア) アジア系住民に対する暴力行為
アジア系住民に対する偏見による嫌がらせ、脅迫、暴行等の行為は依然として発生しています。一般的な安全対策として、犯罪発生率の高い地区を訪れない、夜間の1人歩きは避け、できる限り複数名で行動する、高価な物を持ち歩かないようにする、また、不審人物を確認した場合は速やかにその場を離れる等、身の安全を優先して行動することが重要です。

(イ) 多発する車上狙いへの対策
サンフランシスコを含むベイエリアでは、年間を通して「車上狙い」が多発しています。市内の観光ポイントには、「PREVENT A THEFT」、「REMOVE VALUABLES LOCK YOUR CAR」等の標識が設置され、警察当局が警戒を強化していますが、短時間 (1分未満) の駐車であっても十分に注意する必要があります。

車上狙いは、座席等車外から容易に確認できる場所に置いてある金品が対象となるだけでなく、車外から確認できないトランク内の電子機器を検知し、鍵穴をこじ開けて窃取する等の手口も増えていることから、車内には貴重品や鞄類等の荷物を放置しないことが何よりも大切です。また駐車場所も、可能な限り人目の多い場所や照明の明るい場所を選ぶなど、常に犯罪対策を意識することが重要です。

被害に遭う車種は様々ですが、特にレンタカーの場合、使用者の多くは旅行者であり荷物をトランク等に放置する傾向が高く、レンタカーに狙いをつけて犯行におよぶグループも存在しているとされ、旅券や現金等の貴重品は車内に残さないようにしてください。

なお、2022年7月から12月末までに、邦人から当館に連絡があった車上狙いの被害件数は12件ですが、本件は被害品に旅券が含まれていた事案のみの件数なので、実際には、同件数以上の邦人被害が存在するものと推測されます。

 

(2) 邦人の被害事案

  • 最も邦人の方が被害に遭われている車上狙いは、サンフランシスコ市内の観光地、ショッピングセンター、レストラン等の駐車場や路上において多く発生していますが、自宅や公園の駐車場での被害報告もあります。
  • サンフランシスコやラスベガスの観光地では、レストラン、ホテル及び空港等での置き引きや、乗り物内でのスリ等も発生していることから、警戒心を忘れずに貴重品から目を離さないようご注意ください。
  • ホテルにおいて、部屋から貴重品が盗まれる事案が発生していることから、セーフティボックスを利用する又は自分で携行するなどの防衛策を取るようにしてください。
  • 入管や警察、保健当局、電力会社等を名乗る振り込め詐欺やインターネット売買に関する詐欺、ソーシャルセキュリティナンバーを聞き出す詐欺まがいの事案が発生しています。身に覚えのない電話は無視し、相手に確認する必要がある場合でも、決して示された番号に返信せず、必ず自身で調べた番号にかけ直すよう心がけてください。
  • その他にも、アパートの大家を騙り前金を詐取する犯罪も発生しています。相手の身元や物件の確認等をするよう心がけてください。
 

(3) 邦人被害以外の事件発生状況 (特異事件)

  • 7月16日、サンフランシスコ国際空港で爆破予告に関する情報があるとして、避難措置が講じられました。後日、男性1名が悪意のある情報を流した容疑で逮捕されたと報じられています。
  • 10月6日、ネバダ州ラスベガスで刃物を所持した人物により2名が死亡し、6名が負傷したと報じられています。容疑者はその場で逮捕されたとのことです。
  • 10月29日、サンフランシスコ市内にあるナンシー・ペロシ下院議長の自宅に男が侵入し、同議長の夫で在宅中であったポール・ペロシ氏が襲われたと報じられています。容疑者は既に逮捕されたのことです。
 

※ 各地域の犯罪発生状況は、次のサイト等で検索することができます。居住地や渡航予定地域の犯罪発生状況の確認にお役立てください。

(上記サイトは、皆様に治安状況の参考にしていただくために掲載しているものであり、警察当局からの公式な情報ではない点にご留意下さい。)

3.テロ・爆弾事件発生状況

当該情報には接していません。


4.誘拐・脅迫事件発生状況

邦人を被害者とする情報には接していません。


5.日本企業の安全に関わる諸問題

当該情報には接していません。