海外安全対策情報(令和2年1月~6月)

2020/8/3

1.社会・治安情勢

現在までのところ、当館管轄区域内(カリフォルニア州中北部及びネバタ州)において、テロ発生の可能性がある具体的な情報は把握されていません。

しかし、カリフォルニア州のサンフランシスコ市やオークランド市、サンノゼ市等サンフランシスコ湾を囲む「サンフランシスコ・ベイエリア」は、国際的な観光地域であることに加え、自由な気風が尊重される地域であるため、1960年代以降、学生運動をはじめ様々な主義主張を訴える活動が行われており、過激主義及び原理主義思想を背景とする国際テロの対象となり得ます。

一方、ネバダ州ラスベガスも、カジノで知られる世界有数のナイトスポットであり、年間4,000万人もの観光客が訪れることから、依然としてテロの潜在的脅威が存在しています。当局が治安維持に力を入れているものの、観光客等を対象とした一般犯罪も後を絶たず、注意を要する地域となっています。2017年10月1日、ラスベガスの中心部において発生した銃乱射事件は、全米でも大きな衝撃を与えた事件でありました。

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行に伴い、各地で自宅待機令が発出されるなどして外出や観光客等が減る中、多くの地域で犯罪件数が減少傾向となった一方、街や交通機関から人混みが消え閑散とし、必ずしも体感治安が良くなったとは言えません。

また、5月下旬以降、ジョージ・フロイド事件に端を発する抗議活動が全米に広がり、カリフォルニア及びネバダ州各地でも行われました。そのほとんどは平和的に実施されているようですが、一部では暴徒化して放火や器物損壊等に及びこれに乗じた略奪等も発生する中、一時ベイエリア等各地で夜間外出禁止令が発出されました。

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1) 近年の犯罪傾向

ア 犯罪統計(資料「在サンフランシスコ総領事館・主要都市犯罪発生状況」
2019年にFBIが発表した2018年中の犯罪統計によると、前年比カリフォルニア州全体において、凶悪犯罪及び窃盗犯罪とも減少傾向となっています。

地域別には、サンフランシスコ市でいずれの犯罪も10万人あたりの発生件数からみると、州の数値を上回っており、窃盗犯罪が突出して高い数値にあることから、同種犯罪に巻き込まれないよう特段の注意が必要です。特に、同市では車上狙いの多発が社会問題となっており、警察による対策が取られているものの、抜本的な抑止には至っていない状況です。

サンノゼ市は、人口100万人を超えカリフォルニア州の中でロサンゼルス、サンディエゴに次いで人口第3位の大都市として邦人も多く居住している地域であり、比較的治安は良いとされていますが、日本と比較した場合、犯罪発生件数はかなり高い水準にあるため、防犯意識はしっかり持つ必要があります。

一方、ネバダ州や同州主要地域においても、犯罪発生件数は高い水準にあり、凶悪犯罪の発生が多いほか、観光客や出張者等が窃盗被害等に巻き込まれるケースも報告されているため、滞在には十分注意が必要です。

 

イ 防犯上の留意事項
(ア)社会情勢を反映したデモ等に対する注意
前述のとおり、ベイエリアでは、様々な主義主張を訴える活動が盛んに行われており、特にサンフランシスコ市やバークレー市、オークランド市等において、社会情勢や人種差別問題等を敏感にとらえて大規模な集会や行進が開催されています。これまでデモに乗じた略奪や器物損壊も確認されていることから、遭遇した際は興味本位で近づくことなく、直ちに現場から離れるようにしてください。

他方、アジア系への人種差別的な言動やヘイトクライムも発生していることから、現地治安情勢の把握等を心がけ安全確保に努めてください。

(イ)多発する車上狙いへの対策
サンフランシスコを含むベイエリアでは、年間を通して「車上狙い」が多発しています。特にサンフランシスコ市内の観光ポイントには、「PREVENT A THEFT」、「REMOVE VALUABLES LOCK YOUR CAR」等の標識が設置され、警察当局が警戒を強化していますが、短時間(1分未満)の駐車であっても十分注意する必要があります。

車上狙いは、座席等車外から容易に確認できる場所に置いてある金品が対象となるだけでなく、車外から確認できないトランク内の荷物も鍵穴がこじ開けられるなどして窃取されていることから、車内には貴重品や鞄類等の荷物を放置しないことが何よりも大切です。また駐車場所も、可能な限り人目の多い場所や照明の明るい場所を選ぶなど、常に犯罪対策を意識することが重要です。

被害に遭う車種は様々ですが、特にレンタカーの場合、使用者の多くは旅行者であり荷物をトランク等に放置する傾向が高く、レンタカーに狙いをつけて犯行におよぶグループも存在しているとされ、旅券や現金等の貴重品は車内に残さないようにしてください。

なお、2020年1月から6月中に、邦人から当館に報告のあった車上狙いの被害件数は12件となっています。但し、この件数の殆どは、被害品に旅券が含まれていた事案であることから、実際には同件数以上の邦人被害が存在するものと推測されます。

(ウ)ラップトップ,タブレット及び携帯電話等の盗難対策
上記の車上狙いに加え、飲食店及び電車やバス等交通機関内でラップトップや携帯電話を盗まれる事件も後を絶たないようです。操作に夢中になっていたり、短時間でも置きっ放しにした際、ひったくりや置き引きに遭うケースが多いようです。

特にひったくりは、抵抗したり追いかけようとすると、二次被害に遭う可能性が高く、実際、逃走車にひき逃げされ死亡する事案もありました。

上記のような電子機器を扱う際、まずは操作に没頭し過ぎず周囲を警戒し、万一盗難に遭遇した場合は抵抗したり追いかけたりせず人命を最優先に行動してください。

 

(2) 邦人の被害事案

  • 2020年1月から6月中、最も邦人の方が被害に遭われている事件が車上狙いであり、特にスーパーマーケット、ショッピングセンター、レストラン等の駐車場や路上において多く発生しています。
  • 2月上旬(金)には、午後11時頃ユニオンスクエアの近くを徒歩で職場から帰宅途中、3人組に金品を要求され拒否したところ、殴るなどの暴行を受け肩を骨折するなどの重傷を負う強盗事件が発生しております。
  • サンフランシスコやラスベガスの観光地では、レストラン、ホテル及び空港等での置き引き、ショー見学中や歩行中の路上及び交通機関内でのスリ等も発生していることから、警戒心を忘れずに貴重品から目を離さないようご注意ください。
  • ホテルにおいて、部屋から貴重品が盗まれる事案が発生していることから、セーフティボックスを利用する又は自分で携行するなどの防衛策を取るようにしてください。
  • 中国総領事館やソーシャルセキュリティナンバー管理事務所等を語る振り込め詐欺やインターネット売買に関する詐欺、個人情報を聞き出す事案が発生しています。最近では、地元保健局や米国疾病予防管理センター(CDC)等を名乗り、電話やメール等で個人情報を聞き出すほか、直接訪問して居宅内に入り込もうとする犯罪行為が発生しており、治安当局が注意を呼びかけています。身に覚えのない電話や訪問は無視又は拒否し、相手に確認する必要がある場合でも、決して示された番号に電話せず、必ず自身で調べた番号にかけ直すよう心がけてください。
 

※ 各地域の犯罪発生状況は,次のサイト等で検索することができます。居住地や渡航予定地域の犯罪発生状況の確認にお役立てください。

(上記サイトは,皆様に治安状況の参考にしていただくために掲載しているものであり,警察当局からの公式な情報ではない点にご留意下さい。)

3.日本企業の安全に関わる諸問題

5月下旬、前述のジョージ・フロイド事件に端を発したデモが、一部で暴徒化し多くの店舗や事務所等が器物損壊等の被害を受ける中、複数の日系企業の店舗も窓ガラス損壊や商品略奪等の被害に遭いました。